つれづれに読んだ本の内容をご紹介していければなぁと思っております。ミステリーに偏りがちかもしれませぬ。目標は毎日更新です。あくまで目標ですが・・・。
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★★★★★ 5つの物語がそれぞれちょこっとずつ 繋がってて、それぞれを補完したり増強したりする群像小説。 いっこいっこだとそれほどでもないのけれど 全部を通して読むとすんごく良いもの読んだなぁと 実感できちゃう1冊。 で、読み終わった後は必ず「ローマの休日」を 見たくなることうけあい。 「太陽がいっぱい」 どっぷりと映画に浸っていた2人の少年達。 長じるにつれ道を分かち連絡も疎遠に。 2人がたくさんの映画を見てたくさんの 会話をかわすんですが、それがすっごく楽しそうなのです。 だから、後がつらくなったりもするのですが、 でもその時間のかけがえのなさがなんだかもう 愛おしくて。 「ドラゴン怒りの鉄拳」 夫が自殺し、残された妻は日々を閉じこもって過ごしていた。 そんなある日レンタルビデオ屋「ヒルツ」から 貸し出されたビデオが延滞になっているという 電話を受け、久しぶりに外出することにー。 夫の自殺の裏側や、新しく始まりそうな恋の予感やらも 良いんですが、ラストがひどくかっちょよろしいの。 決意というのはなんて力強いんだろうと。 「恋のためらい」 今度の主役は高校生。彼らが狙うのは なんと3000万円。計画は果たしてうまくいくのかー。 もちろんクライムノベルとしても楽しめるけれど、 なんてったって「映画篇」 それだけじゃ終らないのです。 彼らの行方をご覧あれ。 「ベイルライダー」 夏休みの自由研究で映画のランキングを決めることになった ユウとカメちゃん。 「ヒルツ」を出たところで2人は いじめっ子に絡まれるが、オートバイに乗った おばちゃんに助けられるー。 おばちゃんの正義感というか強さが良いんです。 だから後半がやるせない。 んでもって、ここにつながってくるのかと ちょっとしんみり。 「愛の泉」 この物語から全ては始まった! 下手な事を言うと、楽しみが減っちゃいそうなので 言いません。言えません。 けれど、この家族の魅力ったらないです。 これだけスピンオフで一冊読みたいくらい。 不可能そうにみえることを 可能にしようとする意志や願いってのは どうしてこんなにも惹きつけられるんだろう。 家族愛もたっぷりでほんとに良いもの読みました。 テーマ:**おすすめbook!!** - ジャンル:本・雑誌 |
★★★★★ とあるアパートに住まう人々を描いた群像小説。 これが、驚くほど良いんです!! 7つの短編に別れてて、それがちょっとずつ リンクしてて、油断がならないんです。 人々の暮らしというのは色々なところで繋がってるんだなぁって。 それはしがらみとか重いものじゃなくて、 もっとあわあわとした関係で、そういうのを おだやかに丁寧に、そんでもって軽やかに掬い取った物語。 「草のたみ」 父の経営するアパートで暮らす依子さん。 恋の終りを予感した依子さんが出合ったのは おどりばで人を待つタミさん。 物語のはじまり。 これだけだとイマイチぴんとこないのですが、 読み進むうちに伏線があちらこちらに張られていたことに 気がつくのです。 「ダストシュートに星」 ゴミ集積所でゴミの分別に励む管理人・太田さん。 ところが最近クーポンばばあとあだ名される竹ノ塚さんが 入り浸っていて、ちょっぴりげんなりな様子。 そんな太田さんには一人息子がいたのだが、 今では女性として生きていて・・・。 竹ノ塚さんとのやりとりにうんざりしながらも 気の優しい太田さんの人柄がよく出てるんです。 そんでもって息子さんとの思い出と、苦い悔恨とが バランスよくて! 「小鬼ちゃんと明日」 ジャハドさんのお部屋にするりと入り込んできたのは なんと小鬼ちゃん。 小鬼ちゃんとジャハドさんの珍妙な共同生活。 ジャハドさんの書く手紙がうっすら涙を誘うのです! 「イヌとアゲハ」 タミさんの娘さんのふうちゃんの物語。 ジャハドさんの章で出てきたキタザワ君が登場しますが、 こやつがなんともふわふわしてて、どうにも 憎めない。登場人物の描き方がとっても魅力的で個性的。 「タイルを割る」 依子さんのお母さん草代さん、つまりはアパートのオーナーの奥さん。 草代さんのかつて叶わなかった恋と、旦那さん、つまりは オーナーさんのぬくたい日常。 草代さんが知る驚きが心地よいのです。 登場人物にさん付けするのは一定の距離感を もたせつつ、丁寧さも演出するので この本にはぴったりだなぁと思った。 「砂丘管理人」 初登場ではないでしょうか。ひきこもりの陸二さん。 姉から猫を預かることになり、思い出したのは かつて飼っていた愛猫・砂丘管理人のこと。 あぁ。砂はいいなぁ。砂は。 ジャハドさんの章でもちょっぴり感じたのだけれど、 異国情緒というのか、違う国の匂いがする。 ジャハドさんの国には熱気を、この章では乾燥した大地を、 それはもうほれぼれするくらい身近に感じられてしまいます。 「金魚のマント」 タミさんの待ち人がとうとう現れます。 これ、ほんとに良い。 何も聞かずに是非とも読んでみてください。 いやー良いものを読みました。 テーマ:**おすすめbook!!** - ジャンル:本・雑誌 |
★★★★★ それぞれの思惑を抱え、奇妙だが高給な求人に応募した 12人の人々。 一定のルールに則り一週間を館の地下で暮らすという、 奇妙な実験に参加させられた彼らだが、 やはりここはミステリーの定石。 そこで彼らを待っていたのは予想に違わぬ 惨劇で、次々起こる事件と恐慌。 一人また一人と登場人物が消えてゆくわけですが、 細かいガシェットが良い味出してるのと、 色んなルールが思考を束縛したり促進したりして 大変面白い。 そんでもって古典と呼ばれるものに向けられる敬意が ひしひしと感じられて、いやはや良いもの読みました。 謎だけではなく、登場人物のキャラクターにも ひとしかけあるのでどこまでいっても楽しめる、 頭にも尻尾にも餡子が詰まったたい焼きのような そんな1冊なんです!! ・・・なんだこの例え。伝わると良いのですが。 テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
★★★★★ 近藤史恵といえば、濃密な空気で紡ぎだす あやしげなミステリーで読者を選ぶという 印象があって敬遠しがちだったのですが、 いやはや良いものを書きますねぇ。 かつては陸上競技でオリンピックを狙えるとまで いわれた誓。しかし走ることを重荷に感じ、 自転車ロードレースに転向する。 ロードレースでは優勝することだけがただ賞賛されることではなく チームのエースを優勝させるアシストの力も不可欠となる。 たとえ自分が勝利を狙える立場にあっても チームのエースの為に払われる犠牲がつきものなのだ。 誓はアシスタントとしての天分を持っているというか、 終始控え目で、でもだからこそ誓が時折見せる 執着や、勝利への渇望がすごく光るんです。 冒頭の文章で、最悪の結果を予想しながら ドキドキして読み進みましたがラストが思いがけず爽やかで なんて良いもの読んだんだと。 終始緊張感をはらんだレースが描かれるのと 終末近くになってミステリーの要素が 花開いていくのと、いや、ほんとに面白かった。 おススメです。 テーマ:**おすすめbook!!** - ジャンル:本・雑誌 |
★★★★★ 東京から北九州に転校する事になった森。 引っ越した先の社宅には 母親からココちゃんなんて呼ばれてる男の子や 訛りの激しい美少女やジャガイモのような5兄弟、 それにパックと呼ばれる不思議な子がいた。 森のわんぱくさがまぶしくてまぶしくて! 若さとエネルギーにあふれてて、 でもそこは加納朋子。もちろん老獪さ・・・ というよりは筆の上手さが大前提であるので 読んでて楽しいったら! 子供だからって悩みがないわけじゃもちろんなくて、 それぞれに抱えてるひっかかりがあるわけで、 その心のざわめきをほんとにまぁなんて うまく掬い取るんだろう。 ちょっとしたひっかかりやつっかえを 新しい視点でみてくれる、探偵っぽい子が パックにあたるんですが、 この子もこの子で複雑な事情があって・・・。 ううむ。大変面白かった。 テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
★★★★★ 今年のベストはこれで良いんじゃないかしら。 媛首村という土地で起こる奇妙な殺人事件。 四重の密室に、首の無い死体、連続して起こる殺人。 秘守一族の秘密。 練りこまれたプロットと、構築された謎と 不気味さの漂う空間と、それが全て明かされる謎解きと。 くっはー。面白かったー!! 今まではミステリー+ホラーで、それはそれで とても面白かったのだけれど、 こんなにガチガチの本格を書くなんて! やれ嬉し。 P379からちょっとずつ謎解きが行われていくんですが、 読者への挑戦みたいになってて、 ここで止まって暫く考えようかとも思ったんですが、 犯人が誰か、この事件の真相は一体どこにあるのかが気になって すぐにページをめくってしまいました・・・。 三津田作品の中でもベストだと思います。 テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 |
★★★★★ か・・・かわいらしすぎる。 短編集なんですが、どれも良いんだな。 まずは表題作。 『頭のうちどころが悪かった熊』ですよ熊!! んもう。だめだなぁ。なんて思いつつ頭をぐりぐり したくなっちゃいますね。 頭のうちどころを悪くした熊が 「レディベア」を探すために右往左往するという お話なんですが、なんたって頭のうちどころが悪いもんだから レディベアと亀を間違えたり、毛虫と間違えたり。 でも、それがとってもユーモラスで、 そんでもって真剣なんです。すごくあったかいのですよ。 『いただきます』 旅人が声をかけたのはメソメソ泣いているトラ。 わけを尋ねると、さっき食べてしまったキツネに思いを馳せて 泣いているのだという。お腹の中でキツネに尋ねると そのキツネも食べてしまった鳥のことを嘆いていて・・・。 と、無限ループかのようになってきて 最後どうなるのかなと思ってたら 35ページの7行目。 ああ。すごく良い言葉だなぁって。 ま、読んでみてくださいな。 『池のなかの王様』 考えるおたまじゃくし「ハテ」とヤゴの友情の物語。 このハテの考え方は哲学者然としててかっちょ良いの。 ちょっと長いけど引用。 自分の目でしか見えないんだよ。 なにがホントかなんて、だれにもわかりっこないじゃないか。 でもわかっているのは、ぼくの世界ではぼくが王様ってこと。 ほら、その証拠に・・・ ハテは目をぎゅっとつむった 「ぼくが目をつむりさえすれば、世界はなくなる」 良いですね。良いですねー。もういっこ良いセリフがあるんですが、 それもまぁ、読んでみてください。 『りっぱな牡鹿』 りっぱな牡鹿のホーイチは森のみんなの悩みを聞いていた。 だけどある日鬱憤がたまりすぎて大爆発。 そこで牡鹿は一切意味のある事はしないと決めた。 角に椅子をかけ、やかんをペットにし・・・。 牡鹿の奮闘ぶりが真剣であればあるほどおかしくて。 『お客さまはお月さま』 不眠症の熊は他の熊が(もちろん頭のうちどころの悪かった熊も)冬眠中、ひとりぼっちで冬を越さなければならなかった。 けれど、ある寒い夜お家に帰る途中、 お月さまがずっとついてきてくれて、とうとう ほらあなの家まで来てくれた。 くふふふふ。この後実はお月様だけじゃなくて お星様もついてきてくれるんですが その様子を想像するだけで、不眠症の熊は きっと寂しくなくなるなぁって思えて一安心。 どの短編もとってもステキでした。 ところどころ挿まれるイラストも内容にあってて とってもキュート。 これ、ほんとに可愛らしくて、じんとくるので ぜひ読んでみてほしいです!! |









