宮田章司 『江戸売り声百景』
江戸売り声百景 江戸売り声百景
宮田 章司 (2003/05/07)
岩波書店
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★★★★☆
「売り声」を舞台でやってる芸人さんが書いた本なんですが、
いやぁ、良いですなぁ。
売り声ってのは何かというと、
物を売る時の掛け声みたいなもんですな。
色んな種類のいろんな言葉があって、
昔はそれで時間や季節を知る事もできたそうな。
日々の移ろいや季節の変化を声で知るってのは
なんといいますか、豊かなことだなぁと思います。
って言っても私自身売り声というのを
聞いた覚えがないのですが・・・。
でも、それでも風情があるねぇってのは分かるんです。
江戸の言葉というのがそもそも
シャキシャキしてて粋だなぁってイメージがあるんですが、
その江戸言葉を使った売り声がかっちょよくないわけがないのです。
CDもついてて、色んな売り声を聞く事ができちゃいます。
【2007/03/31 22:37 】 | ノンフィクション | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
浅田次郎 『月島慕情』
月島慕情 月島慕情
浅田 次郎 (2007/03)
文藝春秋
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★★★★☆
7つの短編集。
浅田次郎の芸の細かさを再確認したような。
やっぱり良いなぁとしみじみ。
・月島慕情
身請けされることが決まった生駒太夫。
30の坂を越え、これが最後のチャンスだった。
相手の時次郎はいなせな良い男で・・・。
太夫の懐の深さ、女っぷりの良さ。
決められた覚悟の重さがじーんときます。
・供物
女と暴力に耐えかねて20年前に別れた夫。
その夫の死を知らされた初江。
今の夫に送り出され葬式に出かけるが。
過去との決別、でも忘れえぬ思い出。
・雪鰻
ある雪の夜。北海道の自衛隊駐屯では
師団長が鰻を土産に帰って来ていた。
彼は好物の鰻を食えないという。
その理由とはー。
「人間にとって、一等大切なものはまさか命ではないぞ」(P116)
この言葉が重くて重くて。
戦中の酷い状況の中でも男としての矜持を手放さなかった
人々の姿に目頭が熱くなります。
・冬の星座
「弔いのかたちは死者の人品を語るという。
その人生を、ではなく、品性を、である」(P167)
祖母のお通夜に学生を伴って行く事になった雅子。
お香番をしてる間に偲ばれる故人の人柄の良さ。
これも泣けてしまいます。
最後の最後まで誰かの役に立とうとした姿。
見習わなくちゃ。
・シューシャインボーイ
はて。シューシャインボーイてなんぞやと
思ってたんですが、読んでるうちに分かりました。
昔はそんな風に言ったのかと。
リストラ対象者を選ぶ仕事を終え、銀行から
早期退職した塚田の今の仕事はお抱え運転手だ。
彼のボスとその恩人とのつながりがまた
泣かせるのですよ。
最後の手紙とかもう反則かと思える位泣けてしまって。
どの話も良いのでぜひ読んでいただきたいですな。

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【2007/03/30 23:53 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
よしたに 『ぼく、オタリーマン』
ぼく、オタリーマン。 ぼく、オタリーマン。
よしたに (2007/03/15)
中経出版
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★★★★☆
オタクなリーマンの日常と生活。
・・・って言ってもそんなに
オタクオタクしてないので、ついていけない
ことはなかったですな。
かわいらしいイラストと
あぁ!それ分かるかもーっていう
リーマンならではの悲哀と孤独ならではの辛さなんてのが
ユーモアたっぷりに描かれてて面白かったです。
時々劇画タッチになるのがステキ。

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【2007/03/29 21:47 】 | コミック | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
水木しげる 『ゲゲゲの森の鬼太郎』
ゲゲゲの森の鬼太郎 ゲゲゲの森の鬼太郎
水木 しげる (1995/11)
角川書店
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★★★★☆
エヘへへへ。昨日に引き続き鬼太郎です。
「お父さん不景気ですねぇ」なんて
もんそい人間くさいセリフから始まる妖怪漫画。
お金に汚い妖怪が多いのもなんだか
とっつきやすいですなぁ。
竹になった鬼太郎や
毛目玉という衝撃の親戚の登場や
カビまみれのねずみ男といったかなりの
面白映像がてんこもりです。
環境問題が表面化してきた時代だったんでしょうか、
ところどころそれをうかがわせる表現が。

テーマ:まんが - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/28 23:26 】 | 妖怪 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
水木しげる 『雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎』
雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎 雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎
水木 しげる (1995/10)
角川書店
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★★★★☆
おお?
鬼太郎の妹出現です。なんとまぁ。
しかもけっこうすんなりとなじんでる・・・。
前半は宇宙人がらみの話が多かったのですが
この時代なにかあったのかしら。
後半は砂かけばばぁとか一旦木綿とかの
お馴染みのキャラクターが勢ぞろいです。
墓場鬼太郎よりもだいぶアニメに近い
ストーリー展開になっております。
見所は290ページの目玉のオヤジ!!
めっちゃかわいらしいんです。
一番最後には荒俣宏とのゆるーい対談も
載っております。
元々このコミック文庫は平成7年に出てたみたいなんですが
映画化ということで重版が決まったようです。
いやはや嬉しい事じゃありませんか。
というか、映画化がなければこれもいつかは
絶版という憂き目にあう羽目に・・・と思うと
なんだか今の出版業界は大丈夫かいなと思えてなりません。
新刊のペースを落として、古い良いものをもっと
大事にするべきじゃないのかなぁ。うーん。

テーマ:マンガ - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/27 23:24 】 | 妖怪 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
貫井徳朗 『ミハスの落日』
ミハスの落日 ミハスの落日
貫井 徳郎 (2007/02/21)
新潮社
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★★★☆☆
5つの短編集なのですが、
どれもが違った雰囲気を纏ってて
なんとはなくお徳感が。
・ミハスの落日
巨大な製薬会社の会長から面会を
求められたジュアン。
彼に語られる若き日の母の姿。
経過した時の流れの重さがずーんと読後に迫ってきます。
・ストックホルムの埋み火
レンタルビデオ屋の店員ブラクセンが
一途に思う相手には恋人が居て・・・。
このブラクセンの行為が大変嫌な感じ!
トリックというか、仕掛けは勘の良い人なら
気付くかも。
・サンフランシスコの深い闇
3人目の夫を亡くした美しい未亡人。
事故か事件か、真相はどこにあるのかー。
この本の中で一番好きです。
保険のオプをしてる主人公が面白すぎなのです。
周囲の個性もすごく良くて。
これはこれだけでシリーズ化してほしい
・・・と思ってたら『光と影の誘惑』にちょっと
載ってるみたいですね。こりゃ要チェック。
・ジャカルタの黎明
「娼婦殺し」というキーワードはセンセーショナルなのですが
これは、動機が目新しかったような。
・カイロの残照
ガイドのマフムードは失踪した夫を探すナンシーの
手伝いをすることになるが・・・。
どうにもやりきれないなぁ。
確かに驚いたけれど、うーん。
これがラストに来るってのはちょっと
後味が悪いような。
【2007/03/26 23:43 】 | ミステリー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
和のきほん +1 秋冬おかず
和のきほん+1―秋冬おかず 和のきほん+1―秋冬おかず
(2003/11)
扶桑社
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故あってお弁当を作らねばならなくなったのですが、
お弁当だけの為に朝も早よから
ちまちま作るってのはどうにもめんどくさい。
どうせならどーんと晩御飯を作って
余ったのをお弁当にしようと思いまして、
お台所に眠っていたレシピをひっぱりだしてる途中です。
今日はきんぴらごぼうと筑前煮なぞ作ってみました。
このレシピ、写真が豊富で
作り方もすごくわかりやすいのでおススメです。
ただけっこう古いやつみたいなので
まだ流通してるのかどうかは分かんないですが。
いやはや料理の楽しさに目覚めましたよ。
面白いのです。
形が変わったり色が変わったり
食材が変化していく経過がシンプルに
力強く伝わってくるのでやりがいがありますな。
まぁ、飽きるまでは色々試してみようと思います。

テーマ:料理の本 - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/25 21:32 】 | その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
飛浩隆 『象られた力』
象られた力 象られた力
飛 浩隆 (2004/09/08)
早川書房
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★★★★☆
中篇を含む4つの物語。
私のお気に入りは『呪界のほとり』ですな。
肩に龍を乗せた男と辺境の地に住まう
老人との邂逅、追っ手に追われつつ、
その理由を知らない男。ユーモアたっぷりで
彼の苦労がしのばれる。
壮大な物語を予感させるわりに
あっさりと終ってしまったのが残念ですが。
これ続かないのかしら。
・デュオ
天才ピアニストの調律を任された男に起こる不幸。
音楽を文章化するのってすんごい難しいのに、
飛浩隆はあっさりそれをするんだからすげぇなぁと。
・夜と泥の
地球化が進んだとある惑星。
親友に請われ訪れた先の沼地で見る自然の驚異。
3つの衛星に分割統治されているという設定が
すごく面白い。
・象られた力
時をおかずして滅びた3つの星系。
一番初めに滅びた「百合洋」で使われていた図形。
その中でも「見えない図形」を探すよう依頼された
クドウだが・・・。
すごい。星が3つも滅びるなんて。
しかも思いもよらない理由によって。
SFの奥深さやスケールのでかさをまざまざと
見せ付けてくれますな。
いやはや他の作品を読むのが楽しみになっちゃいました。
SFが読みたい! (2007年版) SFが読みたい! (2007年版)
SFマガジン編集部 (2007/02)
早川書房
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ようやくゲットしました。
まだまだSF初心者なもので
ガイドブックは必須。
読んでない本がたくさんあって、
その本たちはもしかしたら私を待ってるかもしれない。
そう思うと、時間はなんて無慈悲に短いんだろうと
嘆息してしまいます。

テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/24 21:46 】 | SF | コメント(0) | トラックバック(1) | page top↑
古川日出男 『サマーバケーションEP』
サマーバケーションEP サマーバケーションEP
古川 日出男 (2007/03)
文藝春秋
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★★★★☆
やっぱりなんてったって
目が離せない作家といやぁ、古川日出男ですよ!
井の頭公園から始まる、川を巡る冒険。
川ってのがまた良いじゃないですか。
分岐したり合流したりしながらも間違いなく
ゆるゆると続く川。
川の先には海がある。ロマンですな。
「ロマンだ。これぞロマン。
そしてロマンの果てに到達すべきは、ドラマだ」(P231)
海を目指して川を行く、幾人かの同行者達。
同行者達と出会ったり別れたりしながらも
ゆるゆると続く冒険。
言い切るというか、淡々と事実を説明するような
独特な文体なんですが、ラストが近づくに連れて
離れがたい味わいが出てくるのですよ。
いつかは終る事がわかっていても
続いてほしいと思うことってたくさんあるじゃないですか。
でも、やっぱりいつかは終るんですよ。
一抹の寂寥感と深い満足が得られる
得難い1冊です。
やはり日出男は只者じゃないのです。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/23 21:53 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
松尾由美 『九月の恋と出会うまで』
九月の恋と出会うまで 九月の恋と出会うまで
松尾 由美 (2007/02/21)
新潮社
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★★★★☆
引っ越した先の部屋で志織が
エアコンの穴を通して聞いたのは
一年後の未来にいるという男性の声。
彼から奇妙な依頼を受け
隣の部屋の住人・平野さんの
後を付けることになったのだが・・・。
SF+恋愛小説で、大変楽しく読めました。
SFもので時間モノというのは
実は大変苦手なのです。
何故かというとタイムパラドックスの
解明の理論についていけないから・・・
という、頭の悪い理由なんです。
なぜそうなるのかがわからない!と。
でもこの本ではすんごいわかりやすい
図がついてて、文章的にもわかりやすかった。
完璧に理解したわけではないけれど、
でもなんとかついていけたかなぁと。
ラストになると恋愛の要素が強くなってきて
ドキドキでしたわ。
【2007/03/22 21:31 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
藤野恵美 『ハルさん』
ハルさん ハルさん
藤野 恵美 (2007/02/28)
東京創元社
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★★☆☆☆
ううーむ。
何にのめりこめなかったかというと
このハルさんの人物造形ですな。
いい年した親父のはずなのに
どうもそういうのが全く感じられないのです。
色々人生経験というものを積んできたが上での説得力
・・・のようなものが全くなくて、
20そこそこの若造かのような甘さ。
そんなハルさんが一人娘のふうちゃんの結婚式の日に
ふりかえる過去の日々と小さな謎。
衝撃なことに小さな謎に行き詰ると
亡くなった奥さんがハルさんの頭の中に
現れて謎を解き明かす・・・。
えええええぇーってな展開なんですが
まぁ、そこを多めに見るとしても
やっぱり人物造形失敗でっしゃろと思えてなりませんな。
【2007/03/21 20:31 】 | ミステリー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
篠原千絵 『闇のパープルアイ』
闇のパープル・アイ (1) 闇のパープル・アイ (1)
篠原 千絵 (1995/02)
小学館
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★★★☆☆
全巻読んだのですが、
なんと親子二代にわたるスケールの大きい物語でした。
豹に変身してしまう遺伝子を継いだ倫子。
学会で発表しようと彼女を狙う教師の曽根原。
曽根原の執拗さやら倫子と慎也の恋の報われなさやら
いろいろ詰め込んであって
やっぱり一気読み。
篠原千絵というのはスゴイマンガ家さんなんですなぁ。
今まであまり少女マンガというものを
読んでこなかったのでちょっともったいなかったかなぁと。
少女マンガというとなにやら目がキラキラした女の子が
ふにゃふにゃと恋だの愛だの言ってるマンガという
イメージがあったのですが、いやはや誤解も甚だしかったですね。
【2007/03/20 21:34 】 | コミック | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
大山顕 『工場萌え』
工場萌え 工場萌え
大山 顕 (2007/03)
東京書籍
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★★★★☆
工場を見るとわくわくする、コンビナートを見るとトキメク、
フレアスタックを見ると興奮する、原料ヤードは最高だと思う、
・・・と裏表紙に書いてある文章のいちいちに
うなずいてしまう工場好きの方も多いかと思います。
工場のあの威容。人工的な構造物なのに
人間味を感じさせない硬質さ。
直線と曲線の美しいフォルム。
ああ。なんてかっちょ良いの。
これぞ男のロマンですよ。
そしてそんなロマンチック工場をたくさんの写真と
でユーモア溢れる文章で1冊の本にまとめたのが
この『工場萌え』です。
もう、工場マジ萌えですがな。
・・・あまり萌えという単語を使う機会がないので
使い方があってんだかどうだか怪しいんですが気にしない。
さて『工場萌え』なんですが、
すんごい良いですよー。私のような工場素人でも
工場の魅力がたっぷり伝わってきて、
工業地帯に行って工場を飽きることなく眺めたいと
思うこと間違いなし。
萌え萌えしちゃいます。
ただ一点難を言うなら製本ミスなのか
これが仕様なのかノドんところに文章が来すぎてて
内側の文章がちょっくら読みにくいんですな。
次の重版分からはちょっと修正して頂けると
よろしんじゃないかと。
【2007/03/19 20:26 】 | その他 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
川西蘭 『コーンクリームスープ』
コーンクリームスープ コーンクリームスープ
川西 蘭 (2007/03)
ジャイブ
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★★☆☆☆
うっはっは。
びっくりするくらい何も残らない小説でした。
家庭に難のある高校生の男の子と中学生の女の子の
出会いと淡い恋?と家族を描いた多分青春小説。
人物描写の薄さと設定の甘さ展開の面白くなさ!
私にはあいませんでしたな。
【2007/03/18 22:14 】 | 青春小説 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
善き人のためのソナタ
善き人のためのソナタ見に行ってきました。
1984年、東西ドイツ分裂中の東ドイツは
秘密警察が暗躍していた時代だった。
秘密警察・シュタージに勤めるヴィースラーは劇作家のドライマンが
反政府的であるという証拠を掴むため
彼の家に盗聴器をしかけ監視を始める。
しかし盗聴器を通して知る世界にヴィースラーの気持ちはゆれ動く。
・・・実は最初の何分かうつらうつらしてしまってたのですが
そこを乗り越えると没頭。
当時の東ドイツの暮らしや彼らの思想の暗渠に恐怖を感じました。
自由を求め、解放を謳い、希望を捨てられずにいた人々。
時代というのは、なんて無慈悲なんだろうと。
ヴィースラー役のウルリッヒ・ミューヘが抑えた
良い演技をしてるのですよ。
あまり動きのない役どころなのですが
ちょっとした表情の動かし方がすごく良いの。
にわかファンになっちゃいました。
グッとくるラストで目頭が熱くなります。
静かな傑作。たくさんの人に見ていただきたいですが、
単館上映なんですな。ううむ。残念。
【2007/03/17 21:57 】 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
安達千夏 『モルヒネ』
モルヒネ モルヒネ
安達 千夏 (2006/07)
祥伝社
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★★★☆☆
何度か言ったような気もするのですが、
私は個人的にたいそう恋愛小説というジャンルが苦手で。
んじゃ読むなよって感じなんですが、
ちょっとは自分のジャンルを広げようという努力を
しようと思ったりもするわけで、
そんなわけで時折思いついたように恋愛小説を
読むのですが、たいがい当たりが悪いのですな。
いや、多分に受け手に問題があるとは思うのですが。
で、こちらのモルヒネですが
婚約者が居ながらもかつての恋人が
目前に現れ、しかもその恋人が余命幾許もないと知り
とまどいながらも捕らわれてゆく女性を描いた物語なのですが、
うーん。どうものめりこめないような、
淡々としすぎているような。
いや、よくわかんなかったです。ゲフン。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/16 21:56 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ジェイドナビ・ジン 『あかいハリネズミ』
あかいハリネズミ あかいハリネズミ
ジェイドナビ・ジン (2007/03)
リトル・モア
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★★★☆☆
おかあさんを亡くしたばかりのコハリネズミ。
おかあさんの言いつけに従って
ともだちを探してあてどなくさまようが・・・。
ほわんほわんとした絵がとっても
かわいいので手にとってみたのですが、
これ小さい時に読んでたらトラウマになってたかも!
とりあえず何も聞かずに最後まで
読んでいただきたいのですが、
凹むこと間違いなし。
切ないというか哀しいというか、
ハリネズミのジレンマという言葉を
久方ぶりに思い出しました。

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/15 23:33 】 | 絵本 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
道尾秀介 『片眼の猿』
片眼の猿 One‐eyed monkeys 片眼の猿 One‐eyed monkeys
道尾 秀介 (2007/02/24)
新潮社
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★★★☆☆
細かいトリックというかしかけがすごく
面白かった。
ただ、それが物語の面白さに直結してるかというと
そうでもなく。もったいないというか残念というか。
とある特技を持った探偵が主役なんですが、
その特技を生かして探偵業に勤しんでいるうちに
ある殺人事件の現場に直面してしまうー。
という、まぁ、分かり易いお話なんですが、
どうもキャラクターが生かしきれてないような。
記号として、というか、トリックを生かすためだけに
作られたキャラクターというか。
ううむ。トリックや世界を作る才能は間違いないと思うのですが、
物語を作る才能となると、ううむ、今後に期待ですかな。
【2007/03/14 21:19 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
漆原 友紀 『蟲師』 8巻
蟲師 8 (8) 蟲師 8 (8)
漆原 友紀 (2007/02/23)
講談社
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★★★★☆
おお。新刊が出てたのですな。
今回もよいですわー。
「冬の底」雪解けの近いある日。
啓蟄を避けるため冬篭りをするギンコ。
目覚めてみるとそこは一面の雪で春の気配はまだ遠い。
どうやらヌシの意志で山が閉ざされていたのだ。
いやー。冬篭りて!人間離れしたギンコの一面を
垣間見れました。ヌシが良い味出してます。
「日照る雨」
雨を呼ぶ女性はその性質故長い事
同じところにはとどまれない。
けれど、留まる事を望んでくれる人も居て・・・。
切ないですなぁ。
「泥の草」
ぎゃああああ。ダメなのです。
こういうぶつぶつ系はダメなのです。
生理的に受け付けないのです。
こ・・・怖い。
江国香織の「ぬるい眠り」に収録されてる
「災難の顛末」だったかな、も、こういうぶつぶつ系の
お話で、もうほんとに怖かった。
ナムナム。

テーマ:マンガ - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/13 22:33 】 | コミック | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
オレスタイルvol8
春風亭昇太独演会、オレスタイルVol8に行ってまいりました。
昇太さんは常にマクラが長いですね。
あと始まる前に携帯をオフにしましょうっていう
映像が流れるんですが、それも小噺風で面白かったー。
小噺ひとつ覚えてきました。
「韓国へ行ってきたんでお土産どうぞ」
「コリアどうも」
くふふふふ。
『お見立て』
苦手な客が来たことを知った花魁が嫌がり、
とうとう自分を死んだ事にしてくれと、太鼓持ちの喜助に
頼むんですが、そのやりとりがおっかしくって。
もんすごい嫌がりようなのです。「ヤダヤダー」って、
黄瀬川花魁がかいらしかったり杢兵衛さんが
かわいそうになったり。悪いお人じゃないので・・・。
『ストレスの海』
ストレスの本を見つけた奥さん。旦那さんの
ストレスが心配になり、寝てる旦那さんを起こして(なんと!)
海に行こうと誘う・・・。
ちょっと変わった奥さんの言動が面白すぎでした。
『崇徳院』
恋わずらい。今ではあまり聞く事の少なくなった
言葉ですねぇ。
一目見た人に焦がれてしまった若旦那。
恋しい人を探すため奮闘する熊さん。
若旦那の恋わずらいっぷりと熊さんの
とぼけっぷりがとっても面白かったです。
『愛犬チャッピー』
なんと犬視点です。
とっても短い噺なんですが、犬の悲哀やらが
伝わってきてめっちゃ笑ってしまいました。
エサを目の前にして「待て」って言われたり
服を着せられたり、柴犬なのにチャッピーって名づけられたり。
昇太さんの演じる犬が、ほんとにそんなこと
思ってそうって思わせるんですよー。

テーマ:落語 - ジャンル:お笑い

【2007/03/12 23:24 】 | 落語 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
バッテリー
バッテリーの映画見ました!
良かったー。
原作のイメージが壊されたら嫌だなあと
思ってたのですが、全然そんなことなくて
美しい自然に抱かれながら
まっすぐ不器用に野球をする巧の姿が
丁寧に描写してあって2時間の映画が
全然長く感じませんでした!
巧役の子がまたかっちょ良いんですな。
何年かしたらすごく良い男になりそうな
面構えなのですよ。
母親との確執や青波に対する気後れ
豪に対する信頼、仲間達、ライバル達、
皆ちゃんと描かれてて、ほんとに良かった!
岡山の自然の緑と青空、それに白いユニフォームというのが
また映えるのですよ。
いやー。良い映画でした。
【2007/03/11 20:54 】 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
第34回 秋桜寄席
第34回秋桜寄席に行って参りました。
久しぶりに落語を聞きに行ったような。
いやはややっぱり良いですね。面白い。
・笑福亭たま 『ホスピタル』
検査入院することになった田中さん。
隣の山本さんから怖い話を聞かされて・・・。
オチがなんとなしに読めてしまうものの
入院患者同士のお見舞いやなまはげのエピソードは
とっても面白かったです。
・林家小染 『試し酒』
酒呑み話というのは結構多い気がするのですが
やっぱり飲みっぷりは個性が出ますなぁ。
一番最初にこの噺を聞いたのは確か小朝さんだったように思うのですが
ほんとにお酒があるかのように思わせる力量ってのは
やっぱりすごいなぁと再確認。
飲むほどに酔っ払ってくる様子がおかしくって!
・桂雀三郎 『天神山』
荒唐無稽といいますか、そんなバカな!っていう噺なんですが
花見ではなく墓見に行くヘンチキの源介はん。
一心寺の卒塔婆を見ながら手酌。
その夜なんと幽霊が押しかけ、女房に。
それを聞いた隣のどうらんの幸助も
同じく一心寺に向かうが・・・。
この方はどうも言葉が聞き取りにくいので
もったいないというか残念というか。
・笑福亭銀瓶 『ちはやぶる』
めちゃめちゃ笑いました。
なんて面白いの。
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれないに 水くくるとは」という百人一首の歌の意味を
聞かれ、知ったかぶりで説明してしまう・・・。
それがまたすごい説明で、竜田川は相撲取りの名前、
ちはやは吉原の太夫、神代はその太夫の妹の名前・・・
と、まぁ本来の意味からは遠いところにある説明ばかりで
ほんとに面白かった!この噺家さん初めて聞いたのですが
こりゃ注目ですね。まだ若い噺家さんなので
これからが楽しみです。
声も間の取りかたも良かったです。
・笑福亭福笑 『絶対絶命』
最初に断りがありました。下ネタですと。
ええ、ほんとに最初から最後まで下ネタでした。
大変小汚いお噺でした。ですが、さすが爆笑王。
下ネタなのですが、人物の描写が巧いので
どうしても笑っちゃう。オチは強引すぎるきらいが
なくもないのですが、いやはやこんだけ小汚い噺なのに
最後まで聞かせるってのはすごいなぁと。

テーマ:落語 - ジャンル:お笑い

【2007/03/10 22:56 】 | 落語 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
伊坂幸太郎 『終末のフール』
終末のフール 終末のフール
伊坂 幸太郎 (2006/03)
集英社
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★★★★☆
8年後に小惑星が地球に衝突し、
人類が滅亡すると発表されてから5年。
ヒルズタウンで暮らす8組の人々。
発表後の喧騒からは落ち着きを取り戻し
諦めにも似た達観が世の中を包むひととき。
描こうと思えばお涙ちょうだいのストーリーにも
できたのに、そうせずに淡々とそれでいて
深く人物を切り取る描写は見事だなぁと。
『外から見てる人はいろんなことを言えるけどね、
考えて決めた人が一番偉いんだから』(P246)
っていう文章がすごく良いなぁと思います。
あ。あと
『あなたの今の生き方は
どれくらい生きるつもりの生き方なんですか』(P178)
とかもステキ。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

【2007/03/09 22:28 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
山之内正文 『八月の熱い雨』
八月の熱い雨 <便利屋<ダブルフォロー>奮闘記> 八月の熱い雨 <便利屋<ダブルフォロー>奮闘記>
山之内 正文 (2006/08/30)
東京創元社
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★★★☆☆
便利屋を営む泉水の元にもちこまれる
様々な依頼。
依頼からちょこっとだけ踏み込んで
依頼にまつわる謎をほどく連作ミステリー。
ミステリー+人情話なのですが、
ううむ。ミステリ部分がですね、
ちょいと弱いんですよ。
オチが読めてしまうというか
途中ではっはーん。これはこういうことだなってのが
分かっちゃうので残念。
もういっそ人情だけをクローズアップしても
良いもの書かはりそうな気がします。

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【2007/03/08 23:57 】 | ミステリー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
北山猛邦 『少年検閲官』
少年検閲官 少年検閲官
北山 猛邦 (2007/01/30)
東京創元社
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★★☆☆☆
書物が放逐された世界。
書物を所有してはならず、もし所有が発見されれば
1つの街ごと焼かれてしまうこともある世界。
活字というものがなく、全ての情報がラジオに
頼らざるを得ない。
書物がある可能性が高いということを
聞きつけたクリスははるか英国から
ひなびた日本の小さい町までやってくる。
その町で起こる奇妙な事件。
「探偵」と呼ばれる人物の凶行。
ミステリフロンティアに入ってるし
ミステリーとしての体裁は保ってると思うんですが
基本的にはファンタジーやら幻想小説やら
そういった部類にジャンルわけしても
良いんではないかと。
奇抜な設定を考え付いたけれど
生かしきれませんでした・・・っていう感じがします。
トリックもそんなバカなと思ってしまいましたし、
世界観の作りこみも甘いような。

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【2007/03/07 23:53 】 | ミステリー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
宮部みゆき 『名もなき毒』
名もなき毒 名もなき毒
宮部 みゆき (2006/08)
幻冬舎
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★★★☆☆
あ。しまった。これ多分なにかの続編です。
ところどころひき逃げ事件の描写があって
どうやらこの主人公は前にもそういう事件を
解明してるらしいんですな。
が、まぁ、読んで無くても特に問題はなかったような。
これ1冊で充分楽しめました。
無差別の毒物混入事件。
社内での問題のあるアシスタント。
2つの事件を軸にそれに関わった人々を
描いたミステリー。
水の中に色水を入れてかきまぜると
薄くなって色水が入ってるかどうか分からなくなる。
だけど、薄くても確実に色水が入ってる。
例えばそれが色水じゃなくて毒物だったら。
じわじわとしみこむように誰にも分からずにまわる毒。
怖いなぁと思うのですよ。
それは毒物だけのことじゃなくて、人の出す毒、
悪意や害意もこもってて、やっぱり怖い。
そんでもってそういう毒を描くのが巧いんですなぁ。
ううむ。さすが宮部みゆきといったところでしょうか。

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【2007/03/06 22:34 】 | ミステリー | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
栗本薫 『黄昏の名探偵』
黄昏の名探偵 黄昏の名探偵
栗本 薫 (2007/03)
徳間書店
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★★☆☆☆
表紙がとってもキュートなので
ちょっくら買ってみたのですが・・・。
内容はというとううむ。
歌とからめて描かれる物語なのですが
特にミステリー色が強いということもなく。
いや、一部ミステリっぽいのもあるんですが
『黄昏の名探偵』というタイトルから期待される
あれやこれやはなかったような。
5つの短編集ですが
あまり楽しめませんでした。

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【2007/03/05 22:50 】 | ミステリー | コメント(0) | トラックバック(1) | page top↑
清水玲子 『秘密』 3巻
秘密-トップ・シークレット 3 (3) 秘密-トップ・シークレット 3 (3)
清水 玲子 (2007/02/28)
白泉社
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★★★★☆
おお。4年ぶりくらいの新刊じゃないでしょうか。
待ってましたー。
近未来、死者達の脳を見て犯罪捜査をすることが
できる時代。
殺された人たちの見た景色をくりかえし見なければならない
科学警察研究所・法医第九研究室の捜査官達。
今回は短編じゃなくてまるまる1冊で長編が1個。
読み応えがあるのですが、ラスト付近でちょっと涙。
どんなにか悔しかっただろうって。
清水玲子のもんすごく綺麗な絵がそりゃもう
ステキでステキで。
【2007/03/04 10:41 】 | コミック | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
三崎亜紀 『失われた町』
失われた町 失われた町
三崎 亜記 (2006/11)
集英社
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★★★☆☆
一夜にして失われる町。
町の住人達は失われることが分かっていても
それを他の人に伝える事ができない。
失われた町に暮らす人々に関わりのあったたくさんの人々。
様々な想いをかかえつつも
悲しみをあらわにすることすらできない。
変わった設定の物語を描く作者さんなのですが、
デビュー作のとなり町戦争よりは面白く読めました。
このセリフかっちょ良いなぁと思いました。
『今の一瞬を生きるのだ。たとえ明日失われようとも』(P274)
生きようとする意思、明確で力強い意志の発露。
ううむ。良いですな。
ただ、ところどころ設定が奇抜すぎて
ついていけないところも何点かあったような。
この方、多分ファンタジーを書くと
ものすごく成功するような気がする。
書いてくれりゃ良いのに。
【2007/03/03 21:14 】 | 日文 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ボビー
ボビー見に行ってきました!
いやぁ、良い映画でしたわー。
1968年6月5日、ロバート・ケネディ暗殺の日
アンバサダーホテルにいた市井の人々を描いた群像劇。
当時の社会が抱えていた多くの問題、
人種差別、アルコール中毒、ドラッグ、民権運動、
そしてベトナム戦争。
それらと対比するように描かれる
希望としてのケネディ。
だからこそ銃弾に倒れた彼の姿が
痛ましくて!!!
アメリカの希望が潰えた日。
歴史に「もし」はないと言いますが・・・
でも、もし彼が生きて大統領になっていたら
良くも悪くも今と違うアメリカの姿を見ることができたはずです。
この映画が今、公開された意味を
じっくりかみしめるべきかもしれません。
いやー。良い映画を観ました。
おススメです。

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【2007/03/02 23:37 】 | 映画 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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