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安東みきえ 『頭のうちどころが悪かった熊の話』

頭のうちどころが悪かった熊の話 頭のうちどころが悪かった熊の話
安東 みきえ (2007/04)
理論社
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★★★★★
か・・・かわいらしすぎる。
短編集なんですが、どれも良いんだな。
まずは表題作。
『頭のうちどころが悪かった熊』ですよ熊!!
んもう。だめだなぁ。なんて思いつつ頭をぐりぐり
したくなっちゃいますね。
頭のうちどころを悪くした熊が
「レディベア」を探すために右往左往するという
お話なんですが、なんたって頭のうちどころが悪いもんだから
レディベアと亀を間違えたり、毛虫と間違えたり。
でも、それがとってもユーモラスで、
そんでもって真剣なんです。すごくあったかいのですよ。
『いただきます』
旅人が声をかけたのはメソメソ泣いているトラ。
わけを尋ねると、さっき食べてしまったキツネに思いを馳せて
泣いているのだという。お腹の中でキツネに尋ねると
そのキツネも食べてしまった鳥のことを嘆いていて・・・。
と、無限ループかのようになってきて
最後どうなるのかなと思ってたら
35ページの7行目。
ああ。すごく良い言葉だなぁって。
ま、読んでみてくださいな。
『池のなかの王様』
考えるおたまじゃくし「ハテ」とヤゴの友情の物語。
このハテの考え方は哲学者然としててかっちょ良いの。
ちょっと長いけど引用。
自分の目でしか見えないんだよ。
なにがホントかなんて、だれにもわかりっこないじゃないか。
でもわかっているのは、ぼくの世界ではぼくが王様ってこと。
ほら、その証拠に・・・
ハテは目をぎゅっとつむった
「ぼくが目をつむりさえすれば、世界はなくなる」

良いですね。良いですねー。もういっこ良いセリフがあるんですが、
それもまぁ、読んでみてください。
『りっぱな牡鹿』
りっぱな牡鹿のホーイチは森のみんなの悩みを聞いていた。
だけどある日鬱憤がたまりすぎて大爆発。
そこで牡鹿は一切意味のある事はしないと決めた。
角に椅子をかけ、やかんをペットにし・・・。
牡鹿の奮闘ぶりが真剣であればあるほどおかしくて。
『お客さまはお月さま』
不眠症の熊は他の熊が(もちろん頭のうちどころの悪かった熊も)冬眠中、ひとりぼっちで冬を越さなければならなかった。
けれど、ある寒い夜お家に帰る途中、
お月さまがずっとついてきてくれて、とうとう
ほらあなの家まで来てくれた。
くふふふふ。この後実はお月様だけじゃなくて
お星様もついてきてくれるんですが
その様子を想像するだけで、不眠症の熊は
きっと寂しくなくなるなぁって思えて一安心。
どの短編もとってもステキでした。
ところどころ挿まれるイラストも内容にあってて
とってもキュート。
これ、ほんとに可愛らしくて、じんとくるので
ぜひ読んでみてほしいです!!

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Author:ぴよった
本と、映画と、紅茶と、チョコレートが好きです。最近は落語に夢中です。
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